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国宝二条城とクラッシック音楽
先日家族で大阪から東京戻ってくるときに少し時間ができたので、 京都に二条城に寄り道してきました。ウィ−ンに住んでいた頃は有名な シェーンブルン宮殿やオペラ座、シュテファン寺院などのヨーロッパ建築のスケールの 大きさや豪華さに驚かされていましたが、 今回の二条城では日本の文化の素晴らしさを再認識できた良い機会でした。

二条城は国宝に指定され、さらに世界文化遺産にも登録されていて、 お城はもちろん城内の部屋に描かれた襖絵、柱や壁の彫刻は息をのむほど 素晴らしかったですね。天井の模様も色彩鮮やかで部屋ごとの特徴もあって、 もしこれらができた当時はさぞ華やかで美しかったと思います。
城の中をクラッシック音楽に共通するものを感じながら歩いていました。 それはすでに約400年や350年も経ってるにもかかわらず現在も人びとに愛され、 作品は感銘を与え続けている。これはすごい事だと思うのです。 時代も近くて二条城は1603年に築城されていて、バッハは1685年に生まれています。

今バッハの大曲マタイ受難曲に取りくんでいます(演奏会は来年の2月です。)が、 スコアを読みながら、これだけのものを作るのにどれだけのエネルギーが 必要だったのだろうか。いったいどれくらいの時間を費やしたのだろうか。 二条城を見終わった時に同じことを考えました。 二条城の様な歴史的建築や城内の襖絵もマタイ受難曲も、もし大切に保護 (音楽では演奏して再現させることになると思いますが。)されていなければ、 今回私が受けた感動はなかっただろうと思うのです。 だからこそ保存や保護という事が現代に生きている我々の大きな責任だと感じています。

今演奏されているクラッシック音楽の多くはきっと音楽の二条城のような 歴史的遺産だと思うのです。ただ楽譜も手に入りやすくなった分、 どこでも演奏可能になり、録音や録画もたくさん出回っていて 演奏会だって毎日どこかで開かれているし、自分で開催することもできるのです。 オペラも以前より多く日本で観れるようになりました。 ずいぶん何でも手に入る世の中です。 そのことによって楽曲自体のありがたみが薄れてきていると考えています。 だからこそそれを演奏する側である私たち音楽家が、 作品本来の素晴らしさが伝えられるよう懸命に努力しなければいけない。 その努力こそ、クラッシクだけでなくあらゆるジャンルの音楽が人びとに愛され続けてもらえるんだ、 そう思ってます。これからも一つ一つの作品に対して情熱を注ぎ込み、 今回感じたことをずっと忘れないでいたい、そんな気持ちです。

【2006年2月28日】


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